3歳の息子に絵を描こうと誘っても全然ダメだったのにやっと描いてくれたからこりゃイイヤって事ではてなミュージアムへ応募してみることにシタ!(そんなものありません)
3歳の息子の好きなものは虫です。例えば虫とりをする事、虫の図鑑を見る事など虫にまつわる事なら大体好きなのです。そしてその次がトイストーリーのおもちゃを使って遊ぶ事というか繰り広げられるバイオレンスストーリーです。このふたつが特に大好きで私と息子の日常で行われておるわけなのですがたまに今年のお年玉で買いました赤いバケツに入ったお徳用レゴをパシャーンと出して「ひらたぶろっくやろー!」と言います。(保育園にある井型のブロックもレゴと思い込む息子は井型とうまく言えずに「ひらた」と言います。私も当初井型ブロックの存在を知りませんでしたので息子の言う「ひらた」を疑いもせずにどこかの平田製作所という玩具専門の会社が作っているブロックでもあるのか?いろいろあるものだなあ。と思い込んでおりました。)そしてその次の次の次くらいにやっとの事で「おえかきしたいー!」と言ってくれるのです。言ってくれるのですというのも私は一応うだつの上がらぬ美術系フリーランスでありますから3歳の息子に一番やってもらいと思っている遊びが「お絵描き」なのです。が、もちろん強制は出来ませんから「お絵描きしなさい。」とは言えず一緒に遊びながら隅の方でカブトムシを描いてはヘラクレス!と言って見せたりカメムシを描いてはこれはジンメンですよ〜と小さなお誘いをするのですが効果は特に無しという事で諦めておりました。ところが今日はそんな3歳の息子が「おえかきしたい!」と私に言ってくれたのです。今日はそんな私と3歳の息子のお絵描きのお話を少々。
きょうもやろっか
雨降りの日曜日。晴れたら毎週末お約束の虫とりにでも出かけようかと思っておりましたが仕方ありません。それでは何をしましょうか。お家で何をしましょうか。虫の図鑑も毎日毎日だと飽きるのではと思いますし、また厄介なバイオレンスストーリーは毎度毎度ひどくなる一方で「痛いっ!痛い痛いっ!」と私が言っているのにも関わらず「おりゃー!やっつけてやる!なにやってんだウッディ!」とバズライトイヤーを振り回し腕や足に当たる鈍い痛みに耐えながらやらねばならぬそんな遊びに私自身がそろそろ参ってきておりますから時々敬遠の意味も込めてそんな風に何をしましょうか。お家で何をしましょうか。と新しい風を吹かせたいものだと考えるワケなのです。しかし当の息子は「ねえ〜。むしのえほんよんで〜。」「バズであそぼっか?」とニヤニヤしながら近づいて来るのです。毎日繰り返されるその3歳の息子の執拗な誘いを断れば断っただけ盛大なグズりに付き合わされますから結局乗るという選択しか持ち合わせぬ私はほげ〜と心で叫びながら他に何も思い浮かべられぬこの役立たずな脳味噌を呪いつつそんな私の雨降りの日曜日を思い遣るのでした。
おえかきしたい!
そうしてひと通りのお遊びに付き合わされた私に息子は突然こう言うのです。
「おえかきしたいなー!」
まあなんと嬉しい事を言うてくれるやありませんか。と私はニコリとしながら「いててててて」と癒えぬ傷を庇いよいしょと立ち上がって仕事部屋へと向かいます。
そして画材を保管する棚に息子がいつでも取れる様にと一番下に置いてある鞄型のペンケースを取り出します。開くと両側に25色ずつ合計50本のマジックペンが入ったその私のお気に入りを息子へはいどうぞと渡し二人で席に着くと「それでは何を描きましょうかねえ。」と聞くのでした。
とうちゃんかあちゃん!
どんな絵を描いてくれるのだろうか。そんな事を思いながら3歳の息子を見ていると
「えーっとねえ。しんかんせん。とっきゅーじゃーのでんしゃ!」と言ってマジックペンを取り出し何やら描き始めます。
そして出来たものがこちらです。
えーと。手が長いですねえ....違う違う。そうではないのです。虫でもありません。しんかんせん。あるいはトッキュウジャーの電車であります。赤と青のマジックペンを上手に使って描きましたから私も「上手に描けたねえ!ほんとだ!これは新幹線!あるいはトッキュウジャーだねえ...げふっ」とこの誉め方は合っとるのかとむせそうになりながらそう言いますとノリノリになってきた3歳の息子は「じゃあ、こんどはかあちゃんととうちゃんかくね!」と言い早速むらさき色のマジックペンを取り出し描き始めるのです。
そして出来た「母ちゃんと父ちゃん」の絵がこちらです。
桂小枝さんではありませんよ。これはとうちゃんです。
そして次がかあちゃんの絵です。
どうした胴体!と言いかけ口を噤みかけた私も残念ながら笑いを堪えきれませんでした。一生懸命描いた息子よ笑ってごめんね。そうしてこれも「上手に描けたじゃん!すごいねえ!」と笑いながら誉めましたから単純なもので「じゃあもっかいかく!ええとーとうちゃんかく!」と3歳の息子は自信たっぷりに言うのです。
真剣に絵を描く息子の姿はまるで小さな画家の様で私も思わずこれはもしや「てんさ...」と言いかける程に親バカになるのでした。
そうして描いた最後の作品がこちらです。
殺人現...いやいやそんなわけはない。なんともリアルな描写であります。
息子よ、おもしろいですねえ。もっと見たいなあ。もっと描いてほしいなあ。
3歳であればもしかするともう少し上手に描けるのかもしれませんが今までほとんど「お絵描き」をしてこなかった息子にすればよく描けたのかなと思います。
「やーめた。」そう言ってマジックペンを放り投げて私の仕事部屋に向かうとパソコンテーブルに置いてある私のiPhoneをつかみ取り何やらいじりはじめるのです。するとその私のiPhoneからジャーン!と音楽がなりはじめたので「どうやったの?わかるの?」と聞くと唇の端を持ち上げて自信に満ちあふれた表情を見せるとフッと鼻で笑うので「まるでラジオDJみたいだねえ!すごいじゃん!」と私が言うと
「えっ?だいおうじじい?」
と返すのでした。
えーっと...大王じじいとは.......なんでしょうか。