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私のブログ

こどもの事とか虫の事とか

4歳の息子の何言ってるかわかんない話。

 

先日、私は仕事の用事で朝から銀行に行くことになっていました。ところがそのことをすっかり忘れてしまい、気付いた時には夕方になってしまっていたのです。夕方というと息子のお迎えもあるし大変だ!どうしよう!と少しばかり慌ててしまったのですが、しばらく考えたすえにちょっとばかり歩くことになるけど4歳の息子に銀行までついてきてもらおうかなと思い、相談をしてみたのです。

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 「あのね。ちょっとお仕事の用事でこれから銀行に行こうと思うんだけど、一緒についてきてくれない?」「えっ?いいよ。」「おっ。(即答!)ありがとう。でも歩いて行くんだよ?ちゃんと歩ける?」「うん。あるけるよ。」「おっ、そうか。よし。じゃあ行こう!」「ねえ、ぎんこうってなに?」「えっ?銀行?銀行っていうのはお金を預けたりするところだよ。」「あずけてどうすんの?」「預けといて、お買い物がしたくなったらお金を出すんだよ。」「どうやって。」「機械でピッピってやるの。」「いきてんの?」「いきてない。」「じゃあどうやってだすの。」「機械でピッピって...」「きかいってなに。」「機械っていうのはロボットみたいに...」「ロボットいんの!?」「えっ、いや、ロボットじゃなくて、ボタン押したらお金を出したり預けたりできるんだよ。」「もしかしてボタンおしたら、ばくはつすんの?」「ばくはつ?」「なに?すんの?しないの?」「......しません。 」「するでしょーがー!!!」「......」こうして、つねに戦隊モノのワンシーンか何かに結び付けようとする息子との会話には時々出口が見えなくなることもあるのですが、一応息子からの承諾を得ることができましたのでとりあえずは一安心。

 

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そんな会話をしながら20分くらい歩いた後、ようやく銀行に辿り着いた私は今にもATMに備え付けられた緊急時用の電話機を持ち上げそうになっている息子に「触っちゃダメだよ。」と注意しながら素早く用事を済ませ外へ出ます。すると銀行にいたその10分ほどの間にあたりはすっかり日が落ち、夜の街へと変わっていたのです。「よるなのにおそとにでていいのぉ?ぼくたちわるいねぇ!いひひひ。」日が落ちたといってもまだ19時前。けれど4歳の息子は訪れたことのない(何度か来たことはあるが記憶にないらしい)夜の街を歩くことにスリルを感じているようです。

「今日は本当にありがとう。助かったよ。ついて来てくれなかったら大変なことになってたよ。」「どういたしまして!」「歩く時も「つかれたー!」とか言わずにちゃんと歩いてくれたよね。やっぱりおにいちゃんになったんだね。もう年中さんだもんね。」「そうだよー。もうねんちゅうさんだからね。グズグズしたりー、いやいやしたりー、ぐちゃぐちゃしたりしたらダメなんだよね!そんなことしたらおやつないんだよね!あそべなくなっちゃうんだよね!ねっ!」

息子には息子なりのおにいちゃん像があるらしく、しかも4月からは年中さんに進級しますのでそれを意識をしたからなのか、銀行までの道のりをグズることなく歩いてくれました。そんな息子へありがとうとお礼を伝えながら歩いているとさすがに帰りは疲れてきたのか行きよりも口数は少なく、時折下を向いたり上を向いたりして疲れを紛らわすようにして歩いています。それからしばらく歩いていくと疲れ気味だった息子も家の近くにあるオレンジ色の大きな看板を見つけた途端「あっ!あのおっきいオレンジのやつ、おうちのところのだよね!」とそれを指差し、ゴールが見えた喜びからか一気に元気を取り戻し再びおしゃべりを始め、私にこんな質問をしてきたのです。

「ねえ、ねえ、ちにがみってなに?ちにがみ。」

 

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元気を取り戻した息子の口から飛び出した質問は「ちにがみってなに?」。聞いた瞬間はそれがなんのことなのかよく分かりませんでした。けれど私たちの隣を通り過ぎていく車の音なんかもあってそれが私の聞き間違えかもしれないなと思い直しもう一度その言葉の意味を考えてみたのです。ちにがみ。ちにがみ。ちにがみ。ち...りがみ。ああ、もしかしてちりがみのことだったのかな。合っているかはわからないけれどそうなんじゃないかな。ようやく息子の言うちにがみの正体が分かったような気がした私はそのことを息子へ説明しました。

「ちりがみっていうのはね、ティッシュのことだよ。鼻が出たらかむでしょ?チーンって。そのことだと思うよ。」「えっ、そうなの?」「知らなかった?」「うん。でもさー、ちにがみってさー、めっちゃつよいんでしょ?わるもんなんでしょ?」

え?つよい?わるもん?ん?

その間にも私たちの隣をブーンブーンと通り過ぎていく数台の車。その音でうまく聞き取れずやっぱり聞き間違えていたのかと思い「ちりがみでしょ?」と、もう一度聞いてみると「うん。ちにがみ。」と息子。間違ってはなさそうだ。ただ、ちりがみは強くはない。やっぱり違うのか。では一体何なのだろう。そうやって息子の存在を忘れて考えにふけりそうになっていると突然息子が「ちにがみってさ、ころしちゃうんでしょ?」と今度は殺しちゃうなんて言葉を足してきたのです。恐ろしい。

ちにがみ?つよい?わるい?ころしちゃう?ちにがみ。ちにがみ。し、しにがみ......か??

そういうことか。分かったぞ。死神だ。そうだ死神かあ。たしかにね。悪いし、お化けだから強いし、人を死に追いやる存在として恐れられている。たしかにそうだ。死神だ。

「ああ、ごめんごめん。いや、さっきはちりがみって聞こえちゃったからさ、そうかそうか。車の音でよく聞こえなかったよ。死神ね。死神のことね!そうそう。死神ってこんな斧持ってさー、お化けだよね。ごめんごめん。でもよく知ってたね。死神なんて。」まさか4歳の息子が死神のことを聞いてくるとは思いもせず少し驚きましたが、それでも聞かれたからには親としては一応答えなければと思い一応死神の説明をしてみたのです。が、息子は「なにいってんのー!ちがうよー!ぜんっぜんちがう!ちにがみってさードロドロっていうのだすんだよー。そんで、きとか、くさとか、ぜんぶころしちゃうんだよー。」

 

あ、もしかして...

 

私、そこでようやく分かったんです。息子のその言葉を聞いて。めっちゃつよくて、ドロドロしてて、きとか、くさとか、ころしちゃう、ちりがみでも死神でもないあの強いやつ。ああ、これはあれだ。シシガミだって。

 

 

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たしかに先週ツタヤで借りました。もののけ姫。けれど、それにしてもちにがみって何なんだよと思いながら4歳の息子が言い放つちにがみを、ちりがみか、死神か、それとも一体......と、ぐるぐるぐるぐる考えを巡らせながら歩き続けた私はもう一件、家のすぐ近くにある郵便局にも寄らなければならなかったことなどすっかりさっぱり忘れていたのでした。

おわり