我が家のきまぐれ4歳児の愛情。
4歳の息子の【きまぐれ】のお話です。
さいごまで。
昨日、台所でお夕飯の準備をしていると突然息子が「はいはいはいはい、ハーイ!」って言いながら遊んでいたおもちゃを放り投げて私の元へ。「どうしたの?」と聞くと姿勢を正した4歳の息子が「てつだうー。」と元気よくお手伝いを申し出てくれたのです。
おもちゃに飽きたのか何なのか、少し怪しいけれどお手伝いしてくれるなんてうれしいじゃありませんか。それではお願いしましょう......か
な?
なんか......ジュルジュルなってる。
とりあえず先に、いろいろとキレイにしましょうか...
***
まずは、米びつからお米を3合取り出してもらおうと思います。
「じゃあ、この計量カップでお米を3合取り出してくれる?3回ね。3回。」
「うん。」
「じゃあ、まずは1合。」
「えっ?」
「ん?えっと、1合。」
「......」
「えっと.......1合...とってくれる?」
そっちね。
こんなところで反応するあたり、ヒーロー戦隊好きらしいなというか...いまさらというか...。 この作業今までに何度もやってるんですけどね。
その次はお味噌汁に入れるお豆腐を切ってもらいます。踏み台に登りまな板よりも体半分ほど高くなった息子の後ろに立って包丁を持つその手を見守ります。
トン...トン...トン...トン...トン...トン...
息子に切り分けられた不揃いのお豆腐たち。小さな手の間からこぼれ落ちそうになるお豆腐を一生懸命お鍋へと運んでいます。
その後も一緒にトマトを切ってサラダを作って、フライパンで野菜も炒めました。後は出来た料理をテーブルに運ぶだけです。もちろん「はこぶー!」ってはりきっています。
「じゃあおねがいします。両手でちゃんと持って運んでね。」
「はーい。」
ちゃんとひとつずつゆっくり運んでくれています。息子がこうして運んでくれている間、私もフライパンやお鍋を洗ったり出来ますのでとても助かります。しばらくすると「はこんだよー!」とテーブルの方から任務完了の声。ちょうど洗い物を終えた私も「ありがとう!」と息子の元へ......
なんだかぐちゃぐちゃだけどよく運んでくれました。
「それではいただきましょう。」と隣でごろごろしている息子に声をかけると「いやだー。えほんよんでー。」ってまた変な事を言っています。けれど今日はよくがんばってくれましたから一冊くらいなら良いかな。お味噌汁冷めちゃうけど...
「これ。」と息子から渡された絵本はまだ息子が1歳、2歳の頃に読んでいた文字の無い動物の絵本。私が象やキリンを指さすと「ぞうさん。」とか「いりんさん。」とか言って言葉もまだはっきりしないくらい小さかったあの頃の思い出の絵本。でも、なんでまたこれなのかと息子のきまぐれはこんなところにも。
息子を膝の上に座らせタイトルを読み上げるとそれに合わせてパチパチと手を叩く姿はあの頃と同じ。けれどページを捲りながらペンギンやシロクマやアザラシを迷わずにスラスラと答えていく4歳の息子の姿はまぎれもなく成長の証。
でも、チンパンジーだけは......
「わるいさる。」って言うんです。
(金曜ロードショー見てたのかな。)
きまぐれ。
3歳の頃に比べ心も体も大きく成長したと思います。グズり方も立派。バタバタさせる手足が私の顔やお腹に当たったりなんかするとそれはそれは本当に痛くて。時には参ってしまいそうになるほど困ることもあります。けれどそんな息子にも愛らしい表情やしぐさ、嬉しいなあ、優しいなあ、すごいなあなんて思わせてくれるところもたくさんあって、それが子を育てていく上での楽しみや喜びでもあるように思います。今日だってこうして最後までお夕飯のお手伝いをしてくれました。たとえそれが4歳の息子にとってはただのきまぐれだったのだとしても。
そして言うまでもなくこの後、我が家のきまぐれ4歳児は「もうおなかいっぱーい!」「たべたくなーい!」「はなふきたくなーい!」ってグズグズ、鼻もついでにズルズルさせながらそのきまぐれぶりを今夜も存分に爆発させてくれるのでした。お残しは許しませんけどねー。どっかーん。
おわり。