5歳の息子のお祝い。もすこし悩め。
日曜日は息子の七五三でした。
私は長襦袢姿のまま着付けから逃げておもちゃで遊びだす息子に「一休さんみたーい」って萌えてました。
七五三でやるべきことをひと通り済ませたあと私たちはおもちゃ屋さんへ出かけました。お祝いなのでおもちゃを買ってやる約束をしたんです。息子は戦隊ものが欲しいらしいです。まあいいさ、たまにはね。こうやってお祝いごとでもない限り普段はほとんどおもちゃ屋さんへ行くことはありませんから。あとは息子がどれを選ぶのか。あまり高価なものだと来月のクリスマスにも響くしほどほどにお願いしますよ、みたいな大人の事情が頭を過ぎります。
そうしておもちゃ屋さんへ行き一緒に悩んでいたんですが、しばらくすると息子が「やっぱやーめた、むしのとこいこ、むしのとこ」とか突然言い出したりしてそのままおもちゃ屋さんを飛び出していきました。え?いや、なんで?戦隊のおもちゃ欲しいって言ってたやん。どうしたの。
「やっぱむしがいいの」
息子が言う「むし」というのはこのおもちゃ屋さんから少し離れたところにあるお店の「4Dパズル昆虫DX」という立体型のパズル形式で組み立てる昆虫のおもちゃのこと。値段はたしか500円くらい。それを急に欲しくなっちゃったんだとか。いや、まあ、昆虫が好きなのはもちろん知ってるけど。あなたおもちゃはいらんのですか?いや、これもおもちゃなんだけど、そうじゃなくて家を出る前からあれほど「あー!ニンニンジャーにしよっかなー、あ、やっぱりかめんライダーにしよっかなー、あー、きめらんない!」ってめちゃくちゃ悩んでたじゃないですか。
「はちがほしいの!」
ああ、そうですか。戦隊やめて虫にすんの。しかも蜂が欲しいんだ。
この昆虫のおもちゃは今までに2回ほど購入したことがあるのですがパッケージには何も記載されていなくて買うまで何が当たるかわかりません。ガチャガチャみたいな感じです。当時はヘラクレスオオカブトとクワガタを当てました。
息子の気持ちは完全に「むしのおもちゃ、はち」。戦隊よりも仮面ライダーよりもスパイダーマンよりも昆虫。まあ良いよ。そんなにそれが欲しいんなら私は別に構わないけどさ。でも蜂かあ。当たるかなあ。一応お祝いだから前のと被らずに違うのが当たれば良いんだけど。よしわかった。じゃあ2つ買おう。
お金の計算がまだできない息子にはわからないことかもしれないけど値段も500円だしどうせなら当てて欲しいので2つ。
これほどまでに蜂を熱望しておきながら棚の手前にある2つを適当に取り出してお会計へと向かう息子。もすこし悩め。それでも心は蜂。その証拠に「はちがほしいです」とレジのお姉さんにも訴えていました。
お会計を済ませたあとは外のベンチに移動して早速開封してみます。さあどうだろ。当たるかな。
さあどうだ。
当たるんかい。
蜂、当たりました。一応は他にも20種類近くはあるんでまさかこんなに簡単に当たるとは思いませんでした。いやあ、持ってるねー。ちなみにもうひとつはクワガタだったんですけど、これも持ってます。ハズレ。
欲しかった蜂が見事に当たって興奮しっぱなしの息子は帰り道もずっと「クリスマスプレゼントもこれがいい!つぎはバッタかカマキリがいい!」と言ってました。私もそれには思わず「安いしおもしろいしオッケー!」って言いかけそうになりましたけど寸前でわが家のサンタクロース神話を思い出して「さあね」となんとか回避。あっぶねえ。
ほんとはまだ1ヶ月以上もあるんだしもう少し悩んでくれてもいいんだけど、その気持ちが変わらないようだったらクリスマスの夜にはサンタクロースが押入れからラッピングされた昆虫デラックスを取り出して枕元にそっと置いといてくれるはず。
たぶん3つくらい置いてくれると思うけどもしもそれが「蜂、クワガタ、蜂」とかだったりしてもゲー!持ってるしー!とか言ってスネたりせずに、数が増えたと思ってそこはキャーキャー喜んでくれたらほんとサンタクロース冥利に尽きるよねえってサンタクロースは思ってます。
おわり。