4歳の息子のおべんとうやさん。
家での遊びと言えば戦いごっこばかりの私の息子。
そんな息子のひとり遊びのレパートリーの中でたまにする遊びが【おべんとうやさん】です。
それは現実のお弁当屋さんと同じ要領で、店主である息子がお弁当を買いに来るお客さんから注文を受け、作るというもの。(らしいです。)
どんなお客さんがやってくるのかと言いますと...
バズライトイヤーがまずはじめにお弁当を買いにやってきます。
早速息子はバズライトイヤーに注文を聞いています。
「あまいおさかなのおべんとうおねがいしまーす!」と、とても元気の良いバズライトイヤーの注文を受けた息子は「はーい。わっかりましたー!ちょーっとまっててくださいねー!」と返事をするとすぐに作り始めます。
すると10秒ほどで「はーい!できましたよー!」と出来立てのお弁当がバズライトイヤーの元へ。
とてもおいしそうなお弁当。お魚はさんまでしょうか。隣にはいちごにオレンジにキウイ。お箸の代わりには包丁が置かれています。
バズライトイヤーは「いただきまーす!」と元気よく大きな声で言うとムシャムシャと食べ始めます。
頭ごと突っ込んで....
でもとってもおいしそうですね。このお弁当屋さん、繁盛しそうだ。
ぎょうれつ。
息子のお弁当屋さんには次々とお客さんがやってきます。
ウッディ。
キョウリュウジャー。
スピノサウルス。
関節が壊れたヒーロー。(正体は不明)
すでに行列が出来ています。
息子は「ちょーっとまっててくださいねー。ならんでくださーい。いまつくりますからねー!」とその行列に声をかけています。
最初に並んでいたウッディはもはや待ちきれず「おなかすいたよー。おーい、はやくつくってくれよー!まだなのかー?」と催促をしています。後から来たスピノサウルスも「おれのおべんとうはまだかー!!!」とこちらも待ちきれずにすでに怒っています。
すると突然ウッディが立ち上がりスピノサウルスのところへ行くと「おい!おまえ、じゅんばんまもれー!おれがさきにおべんとうたべるんだよー!」と言いながらスピノサウルスにドン!と頭突きをしたのです。
何だか嫌な雰囲気になってきました...
その予感は的中し、頭突きをされたスピノサウルスが反撃に出ます。
「がおー!!」と叫びながらウッディの顔に大きな口で噛みつきブンブン振り回すと、そのままポーイと遠くへ放り投げてしまったのです。
大変な事になりました...
そんなスピノサウルスの横暴を見かねてかキョウリュウジャーや関節の外れたヒーローも立ちあがります。けれど大きな大きな体をしたスピノサウルスはとても強く、キョウリュウジャーも関節の外れたヒーローもウッディと同様にポーイと投げ飛ばされてしまうのでした。
行儀良く列に並びお弁当が運ばれてくるのを待っていた3人に噛み付き投げ飛ばしたスピノサウルス。本当に悪いヤツです。ちゃんと叱り、言い聞かさなければなりません。お弁当も無しだ。
けれどそんな私の考えはもろくも崩れ落ち......
って4歳の息子はスピノサウルスに出来立てのお弁当を渡すのでした。
たたかい。
「めちゃくちゃだ!」「スピノサウルスは悪いヤツだ!」とその様子を見て思いました。思いましたけど、よく考えてみると息子にとってのお弁当屋さんはただの戦いへのキッカケに過ぎず、結局は【戦いごっこ】を始めるためのものだったのかもしれません。
そう考えると物語を自分で作って楽しく遊んでいる息子がなかなかかわいらしく見え、私も後からカバのぬいぐるみを持って「お弁当作ってくださーい!」って参加してみたんです。
けれど結局私のカバさんも例にもれずお弁当も与えられぬままスピノサウルスに噛みつかれ投げ飛ばされてしまうのでした。(だいたい予想はついていたけれど...)
おわり。