私のブログ

こどもの事とか虫の事とか

4歳の息子の恋のお話かもしれない。

 

先日、息子と夕飯を食べていたときの話なのですが、何気なくいつものように「今日は保育園どうだった?」なんて話していてると息子もいつものように「きょうもたたかいごっこした!」とか言って仲良しのお友達と遊んだ話をしてくれていたのですが、ちょうど夕飯を食べ終わったあたりで突然息子がこんなことを告白してきたのです。

 

「あのねー、ぼくねー、すずちゃんとねー、つきあってんの。」

 

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はじめそれを聞いたときには私の聞き間違いかと思いましたが、どうやらそうではないらしく本当につきあっているんだと息子は言い張ります。

「え〜、そうなの?つきあってるの?」「そうだよー。」「つきあうってどういうことか知ってるの?」「しってるよー。」「どういうこと?」「えっとねー、えっとねー、ちゅっちゅしたりー、だっこしたりー...」「えっ?チューしたりするの?」「そーだよー。」「どこに?」「みぎのほっぺとー、ひだりのほっぺとー、あと、ここ。」

そう言って人差し指を唇に当てて「ここ。」とうれしそうに話す4歳の息子。ああ、もうそういうことを行動に起こしちゃうような年齢なのかな。しかも「つきあってる」なんて言葉をよく知ってるなあ、と息子の突然の告白に少しばかり戸惑いました。

「それから?」「えっとねー、ぼくとすずちゃんケッコンもしてるの。」「えっ?結婚もしてるの?」「そうだよー。」「え、でも結婚って知ってるの?」「しってるよー。ダッコしたらケッコンなんだよー。」「え、あ、そうなんだ。でもさー、このあいだは、かあちゃんと結婚するって言ってなかったっけ?」「ああ、そうだった。でも、かあちゃんはニバンメね。イチバンはすずちゃんだから。」「え、ああ、そうですか...」

 

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その後も「ゆびわつくりたいから(その参考にしたいから)デンワでみせて!」と体をグニャグニャさせてきたりして、あまりにもしつこいのでiPhoneで画像検索してやると飴玉くらいありそうなピンクのサファイアを探し出し「これにする!」と叫んだ指輪は400万円。4歳とはいえボタンひとつで購入できることを熟知している息子は作るより買う方が楽だと思ったのか「かって!かって!」と400万をねだり始めたので「買いません。買えません。こういうものは自分で作る(買う)もんなんだよ。」と忠告してやると、「じゃー、つくる!」とリビングで折り紙を無造作に広げ始めるのでした。

作り始めたのはいいものの、ダイヤ(丸めた折り紙)とリング(細長くした折り紙)を上手くはめられず、「どうやってやるかわかんない!おしえて!」と次第にイライラを募らせる息子に「こんな感じで作るんだよ。」と折り紙の指輪のサンプルを作って見せると、息子もそれを参考にしながらなんとか完成させることが出来たのですが、私の作ったものとの出来栄えに差を感じたらしく「なんかちがう。」と吐き捨て、スネてしまったのです。

 

 

翌朝、うまく作れなかった指輪を放り出したままの息子はその日はなぜかご機嫌で、昨日と同じように折り紙を広げています。そして、パジャマのまませっせと今度は紙飛行機を作り出し、しばらくそのまま放っておくと、気がついた時には大量の紙飛行機が部屋中に散らばっており、「これどうすんの?」と聞いてみると「すずちゃんにあげるのー!」と元気な声で返す息子。よくよく話を聞いてみると指輪は失敗したからあげたくないけれど、得意な紙飛行機だったらきっとすずちゃんもよろこんでくれるはずだから、とのこと。そうして、大量に作った紙飛行機の中からお気に入りものをひとつ選びカバンに仕舞った息子は、保育園の時間になると「よし、いくか!」といつもの営業マン風の掛け声で私の手を引き、家を飛び出していくのでした。

 

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その日の夕方、息子と食卓を囲みながら今朝の紙飛行機のことを思い出した私はそのことを息子へ聞いてみることにしました。

「そういえばさ、あの紙飛行機、すずちゃんに渡したの?」「...うん。」「渡せたんだ。よかったね。」「...うん。」「喜んでた?」「...よろこんでた。」「そう。」

とりあえずはちゃんと紙飛行機を渡すことができたという息子。だけど少しばかり返事に元気がありません。まあ、最近はあまりにも好きな子のことを喋りすぎたりして急に恥ずかしくなっちゃったのかな?とも思い、放っておいてやろうと、私もその時はそれ以上何も聞きませんでした。

それから夕飯も済ませ、しばらく経った頃です。息子が私のところへ駆け寄ってきて突然こんなことを言ってきたのです。

「えーっと、やっぱり、わたしてない。」

夕飯の片付けなんかを始めていた私は、息子のその言葉に一瞬何のことだったか思い出せず、ん?となっていたのですが、ようやくそれを理解した時には息子の次の言葉が待っていました。

「えっとね、◯◯ちゃん(違う女の子)にあげたー。」

なぜか、すずちゃんじゃなくて違う女の子に渡したんだ。と、元気無く私に伝えてくる息子に一体何があったのだろうかと思い、「なんですずちゃんにあげなかったの?」と聞いてみると「べつに。」とだけ言って、その日はもうそれ以上何も話さなくなってしまったのでした。

 

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息子を寝かせた後、なぜ息子はすずちゃんに飛行機を渡さなかったのだろうか、と少しばかり考えてみたのですが、もしかしたら渡さなかったのではなく「わたせなかった。」理由があって、たとえばそれは「いらない。」って言われちゃったとか、あるいはその◯◯ちゃんに「ちょうだい。」って言われちゃって、思わずあげてしまったからなのかもしれません。

しょんぼりとした顔で「わたしてない。」と私に伝えてきた息子をみるからに、少なからずその時に何かがあったのだろうとは思いますが、そうはいってもそれをいつまでもグチグチやらないのが4歳児のすごいところ。

翌日になればケロッと忘れて、おやつの時なんかも、チョコバーをおいしそうに頬張る息子の隣で「ちょっとくれない?」とイタズラっぽく聞いてみると即座に「ダメ!あげない!」というので「ケチ!じゃあ、すずちゃんがちょっとくれない?って言ったらどうするの?あげないの?」とワザと膨れた顔して聞いてみると、一瞬うーんと首を傾げた息子が「ぜんぶあげるにきまってんじゃん!!!」と叫び、チョコだらけになった口でブヘヘと不敵な笑みを浮かべるのです。「じゃあ、すずちゃんがおもちゃ貸してっていったら?」「ぜんぶかすにきまってんじゃーん!」「じゃあ、すずちゃんが仮面ライダーのお洋服ちょうだいっていったら?」「ぜんぶあげるにきまってるでしょーが!」と、続けてずずちゃんへの愛を叫ぶのでした。

そうやって4歳ながらにも好きな子のことを考えるとやっぱり嬉しくてデレデレしてしてしまうし、その子のためだったらおもちゃもお洋服も全部あげちゃいたくなる、そんな小さな小さな4歳児の恋、あるいは恋じゃないのだとしても恋のような気持ちの中でデレデレしちゃう息子。そんな感じで、今日も息子はすずちゃんへの愛をおおいに語るのでした。

おわり。