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私のブログ

こどもの事とか虫の事とか

4歳の息子のチョコレートとにわか雨。

【子】こどもの話 【話】こどもとの会話

 

こんにちはトイトーマスです。

今日は4歳の息子がご褒美に欲しいといった【チョコレート】と【すてきな人】のお話です。

ポツポツ

先日の風呂あがりによいしょよいしょと言いながら窮屈そうにお着替えをする4歳の息子をなんとなく見ていたら、首から腰にかけて1、2ミリほどの小さな水いぼがポツポツと10個ほどできているのを発見。ひと月ほど前にも一度だけ水いぼができたことがあったのですぐに病院で取ってもらったことがあるのですが、早くも再発していたのでひどくなる前にと思い翌日に病院へ行くことにしたのです。

 

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すべての皮膚科がそうなのかは分かりませんが私の息子が通うところでは水いぼを取る時には数時間前にペンレステープという局所麻酔薬が塗られたものを水いぼの大きさに切り分け、それをひとつひとつに貼って下準備をしていきます。それから病院に行って麻酔が効いて(多分)感覚の無くなった水いぼを専用のピンセットで取ってもらうのです。1、2ミリほどの水いぼとはいっても皮膚をちぎり取るようなものですからやはり麻酔をしないと痛いんでしょうね。ちょっとした手術みたいなもの。ああこわい。

 

 

ちょこいため

その病院には息子の肌に塗るクリームをもらう為に赤ちゃんのころから通っているのですが、いつからか息子はその病院のことを「いぼやさん。」と呼ぶようになりました。そんないぼやさんに今日は「ちょっとした手術」をしにいくのですから当然「いきたくない!」とイヤがります。そりゃあそうだ。私でもちょっと怖いし4歳だったらなおさらのこと。でも行かないと治らないしな。そう思いながら息子を説得し続けること数十分。すると息子が突然こんな取引を持ちかけてきたのです。

 

「じゃあさ、いぼやさんがんばったらさ、えっとさ、チョコいためほしいな。」

 

え......。

 

「チョコいため?」「うん。あの、こんな、びよーんてなったチョコ。」「びよーんてなったこんなチョコって何よ。」「だからさーあるじゃーん。あのこんな、びよーんてなったチョコいため。」「.......」「っんもう!わかった?わかんない?ちょこ・い・た・め!」「も、も、もしかして板チョコのこと?」「ああ、そうそう。いたチョコ。いたチョコだった。あはは。めいじの」「め、めいじ.......」 

 

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めいじのチョコいため、か(汗)。まあ、かわいいものです。いいでしょう。

「わかった。じゃあ、いいよ。いぼやさんでがんばった帰りに一緒に買いに行こうね。」「よっしゃああー!!ちょこれーとおおお!いえーい!」

 

にわかあめ

病院へはいつも通り手をつないで歩いていきます。だいたい息子の歩幅に合わせて15分くらいでしょうか。 けれど「チョコいため」の一件で時間もなくなりバタバタと大急ぎで家を出た私たちは少しだけ早歩きで向かいます。

すると住宅街を抜ければあと少しで病院のある大通りへ出るというところで、ザアアと突然にわか雨が降ってきたのです。

 

 

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慌てて家を飛び出したのですっかり忘れていましたが確か天気予報ではにわか雨が降るとか言っていたような気がしました。しまったなあ。けれど傘を取りに引き返すよりはこのまま病院へ向かったほうが早いと思った私は「雨が降ってきたから走ろう!」と雨足が次第に激しくなっていく住宅街を息子の手を引いて走ることに。

 

「よし!がんばろう!ゴーゴー!」そう言って息子へ声をかけながら走っていると私たちの後ろを走っていたフードを被った男性がものすごいスピードで私たちを追い越して行き、そのまま数メートル先の角を曲がって行ったのです。

きっとこの男性も傘を忘れてしまったんだろうな。そんな風に思いながら走り続ける私たちもようやくその男性の入っていった曲がり角まで辿り着きます。するとその曲がり角へ消えていったはずのフードを被った男性が突然私たちの前にバッと現れたのです。しかもその男性は日本人ではなく東南アジア系の顔立ち。

 

ドキ!!

 

曲がり角から突然現れたことと外国人であるという勝手な先入観からの驚きと恐怖で一瞬硬直する私。

けれど、そんな私にニコリと笑顔を向けてきたその男性は、たどたどしい日本語で「コレドゾ。」と言うと、コンビニで売っているものより少し大きめのビニール傘を私に差し出してくれたのです。

「えっ、あっ、えっ、すっすみません。あっ... ありがとうございます。」

まったく想像もしていなかった展開にあたふたしながらも何とかお礼を言う私に男性はもう一度だけニコリと笑顔を向けると再びその曲がり角へと走り去って行ったのです。猛スピードで。

 

 

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きっとその男性は雨に濡れまいとフードを被り走っていたところ、たまたま前方にいる親子連れを見つけたので傘を貸してあげようと思い立ち、猛スピードで私たちを追い抜いてわざわざ家まで傘を取りに行ってくれたのだと思います。

どんな理由で日本に来たのかは私には分からないけれど、こんな風にして異国の地で見知らぬ人間に優しく出来るなんて。私だったらどうだろうか。出来ただろうか。雨の中、この男性だって同じように濡れて大変だったろうに。

結局、名前も住所も聞けなかったけれど、いつかまた会えるかもしれない。その時には改めてお礼をさせてください。あたたかくて、やさしい傘。本当にありがとう。

 

 

いぼやさん

病院に着くと幸いあまり待つこともなく名前を呼ばれた息子は早速診察室へと向かいます。「すぐ終わるからね。がんばれよ。」そんな先生の励ましを受けた息子は水いぼに貼った麻酔テープをひとつひとつ剥がされる間も表情は堅い。そりゃ怖いよね。そして先生は先の尖った専用のピンセットを取り出すと、ピンッ!とひとつひとつ水いぼを摘むようにして取っていきます。二回目とは言え当然泣きそうな顔で怖がる4歳の息子。けれどそうやって顔を歪ませながらもじっと耐えています。そんな息子のがんばりもあって、思いのほか早く治療を終えることが出来ました。

 

 

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帰り道、約束の「めいじのチョコいため」をひとつ、コンビニで買いました。

家に帰ると早速「おっきいのちょうだいね!ながいの!うちゅうまで、でっかいの!」そうやってとにかく大きいチョコを求める息子。けれど今日はよくがんばってくれましたからいつもより多めに皿に入れてやることに。

パキッ。パキッ。

小さな手で板チョコを割り、うれしそうな顔で頬張っています。さあ、お食べ!食べ終わったら歯磨きが待っているけどな!

 

ステキないちにち

にわか雨でびしょ濡れになって、やさしい外国の人に傘を貸してもらって、病院で水いぼを取ってもらって、チョコいため食べて。と、たった数時間でいろんなことがありました。なんだかすごくあたたかいものをもらったような感覚、そんな忘れがたい一日だったように思います。ちょこいため。

おわり。