私のブログ

こどもの事とか虫の事とか

3歳の息子と昆虫図鑑みながらせーので虫の名前言ったらうるさいって怒られ悔しい私はもっかいはてなに言う事にシタ!

 

ベランダの向こうから聞こえるしゃあしゃあと走る車の音を聞きながら「今日も一日雨かあ」と暗い気持ちになりかけ突如はっと活きの良いナメクジを思い出した私はニヤリしながら記事を書くのです。ジュル

さて今日は3歳の息子と読む【虫の図鑑】のお話。

いっせーの!

 

「ねぇ。これいっかいよんでよ。ねぇ。よんでー!」そう言って虫が大好きな3歳の息子が保育園から帰ってくると必ず私に読ませる昆虫大図鑑。1年くらい前に初めて開いたその本にキモチワリと思った私も今では一緒になって「この蛾ってめっちゃキレイな色してるねー。」「このカメムシ今度捕まえよーね!」「ミミズって食べれるんかなー?無理か。」などと言う始末。人って変わるものだねえ。とひとりつくづく思う私のそばで図鑑を抱えた息子が「だっこしてよむ!」と言いながら私の膝の上にどかんと座り込み「はやくよんで!」と急かすのです。それではお待たせいたしましたと言う事で息子の前に図鑑を開き「こ・ん・ちゅう・だ・い・ず・か・ん!はじまりはじまり〜」とタイトルを読み上げそれに続いてぱちぱちぱちと手を叩き揺れる息子の頭部を見ながら「252頁もあるんかい。」と読む前から私は疲れそうになるのでした。
3歳の息子は図鑑に載っているほとんどの虫を知りません。何でも気になる年頃の息子は当然「これなーに?」と聞いてきます。今日もミカヅキツノゼミを指差しそう言うので「これはお月様、ほら三日月ってわかるでしょ?こんな風にぐいんてなってるお月様。お空にパクって食べられたお月様。分かる?そう、それに似てるツノゼミ。だからミカヅキツノゼミって言うんだよー。」と説明すると「ああそうか。わかったわかった。」とサラリと言って毎日同じ事を説明させられる私は「分かってないだろ」とはもちろん言わず仕方ねえと付き合うのでした。
そうして読み進めるうちに毎日毎日何度も何度も虫の名前を言わされ続ける私は毎度お馴染みの心の友ノジノジノージーの気持ちになって何か良いことひらめきたいなー!となるのです。

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アミメヒトリという名の赤と黄色の鮮やかな色を持つ蛾を指差して「これなーに?」とまたも聞いてくる息子に私は「ア・ミ・メ・ヒ・ト・リ」とゆっくり返すと「あめみりとり?」とうまく回らぬその口を私に向けて合ってる?の顔をするのです。「ううん。あ・み・め・ひ・と・り。言ってごらん?」ともう一度ゆっくりとさらに大きく口を開きながら伝えると「あみめひろり?」と少しずつ近づいて来るので「そうそう。言えたねー!じゃあ今度は私と一緒に言ってみようか?」と新たな提案を促し笑顔を向けると息子も「うん。」と続きます。「いくよー。いっせえーのーでっ!」とお決まりの合図をかけ私たちは声を重ねて言うのです。

「ア・ミ・メ・ヒ・ト・リ!」
「あ・み・め・り・と・り!」

やっぱりなんか違う気がするけれど。でも一文字違うだけだし母音もちゃんと重なってるしまあ良いかと思った私は息子の頭をグシャリと撫でながら「上手!言えたじゃん!そうそう!言えたねー。」と笑顔を向け息子もニコリ笑顔を返すのでこりゃ良いやとなるのでした。
そうして図鑑を捲りながら146頁目の【カメムシの仲間】へと辿り着いた息子は「あっマルカメムシだ!」と私の知らぬ間に暗記した虫の名を叫ぶその声に少しずつこうして覚えていくのだなーとなんだか感慨深くなっていると「これなーに?」の声が例によって私を呼ぶのです。「これは、ジ・ン・メ・ン・カ・メ・ム・シ。」とこれも鮮やかな黄色と赤色のグラデーションになんとなく人の顔に見えるそのカメムシを指差しながら私はアミメヒトリと同様のイントネーションで返すと

「ぎんぎんかめむし?」

と言いながら私の顔を覗きます。「ちょっと違うなー。ええと。ギンギンじゃなくてジ・ン・メ・ン。ジンメンカメムシだよ。」絶対そんな名前付けないだろうと思ってしまう虫の名を真面目な顔で言ってくるのでくすくすと笑いながらそう返すと「じゃあーなに?」と息子。「ジンメンカメムシだよ。分かる?じゃあ一緒に言おうか?ジ・ン・メ・ン・カ・メ・ム・シ。」これも一緒に言えば少しずつ言える様になるかもしれないと想いもう一度私はお決まりの合図をするのです。「いくよー。いっせえーのーでっ!」

「ジ・ン・メ・ン・カ・メ..........。」

アミメヒトリの時と同様に一緒に言って覚えよう。そう思い込んで言いかけた私に重なるはずの声が無い事に気付いた私は「どうしたの?ジ・ン・メ・ン・カ・メ・ム・シ。言える?もっかい言うよ?」そう促すと息子は

「うるさい!!!ひとりでゆう!!ひとりでゆうの!!」

と突然起こりだすのです。うるさいとは何たることかしら。そう思ったけれど一生懸命ギンギンカメムシと言う3歳の息子に対して思わずくすくす笑い返した私の姿が【バカにされた】様に息子には映ったのかもしれません。傷付いたかなと思った私は「ごめんね。私が笑っちゃったから怒ったの?」と悲しい顔を見せて言うと「ひとりでゆう!」とぷんと怒り放しの息子に私もまあいいやと諭すのを諦めそうは言っても3歳だしちゃんと言えるかも知れないもんね。と怒る息子に今度は笑顔を向けて「じゃあどうぞ。」と言いながら合図だけはと思った私は「いっせえーのーでっ!」と大きな声でそれを送ると息子も大きな声でこう言います。

「ギ・ン・ギ・ン・カ・メ・ム・シ!!」

どてーっと転けそうになった私はあははと笑ってしまい「シマッタ!」と思った時にはすでに遅く3歳の息子は突然立ち上がり怒った顔をくるりとこちらへ向けて「ちがーう!ちがーう!」と唾を飛ばしながら激怒します。それでもじわりじわり込み上げてくる笑いを押さえきれぬ私はごめんとあははを繰り返し今だ怒り続ける息子へ謝罪します。

それを見て当然怒り冷めやらぬ息子は私の元から走り去って行くのでどこへ行くのか見ていると向かった先の台所に置かれた冷蔵庫の前に立ち小さな両手でその扉を握りしめるとバンと力一杯開けるのです。しばらく私がそれを注視していると何かを見つけた3歳の息子は私へ振り返りこう言うのです。

「もうたこやきたべるからねー!!」

怒るその目をこちらへ向けてそう言い放つ3歳の息子の手にはコンビニエンスストアで買った100円のみたらしだんごが1本力強く握りしめられているのでした。おわり