5歳の息子とベランダで。
休日、5歳の息子とベランダでお茶をしました。
我が家のベランダは、使わなくなった息子の三輪車と、エアコンの室外機、あとは息子が産まれる前に時々夫婦で座っていた小さな木の椅子が2つあるだけの何とも殺風景な場所です。
花でもあればもう少し雰囲気が出るのかもしれないですが、今のところは年々増えつづける昆虫の世話(室内飼育)で手一杯だし、さらにベランダでガーデニングとなると、あと4本くらいは手を生やさないといけないのではないかと思っております。にょき。
仮にベランダを花でいっぱいにしたとしても、あちこちから昆虫たちが卵産みつけにきたりして中も外も昆虫だらけになって手付かずになる可能性だってあります。大変だからといって室内で昆虫飼いながら外は害虫駆除っていうのもあれなんでね。共存が大切です。
そもそもマンションのベランダは消防法に引っかかるのでほどほどにしておかないといけないようですし...ああ、これは夢のまた夢だな。
久しぶりに座る小さな木の椅子の埃を2人分はらって息子と並んで座りました。
私はコーヒー。息子には牛乳を。夕日を浴びながらの、即席ベランダカフェで親子水入らず。殺風景でもコーヒーとかわいい息子が隣にいればそれなりに雰囲気も出ます。
高層マンションではないし周りも住宅街なので決して良い眺めとは言えませんが、ここから見える景色をじーっと眺めているとついこの間の出来事のように、息子との思い出が蘇ってきます。
ああ、3歳のころだったかな、あの木でセミ捕まえたな。そういえば、あの木でも捕まえたな、その時顔にオシッコかけられてたな。そこの歩道から生えてたスミレの葉っぱを持ってかえってツマグロヒョウモンの幼虫にあげたな。あのコンクリートの下の小さな穴に手を突っ込んでかき回してたらその中に棲んでたダンゴムシだったかワラジムシがつぶれてたな。散歩していた時「カブトムシいた!」って急にしゃがみこむから私もつい興奮して「すごい!見せて!見せて!」って息子の手を覗きこんだら頭部だけだったな、しかもそれを持って帰ろうとしてたな、頭部は埋めたげよ、埋めたげよって何度も説得したな、二人で頭部埋めたな、って。そんな虫の思い出とか。
息子が一人でおつかいに行った時のコンビニも見えます。あの時はたしか4歳でした。今でも時々おつかいに行ってくれます。1番高い棚に並べられた1番安い食パンも「せのびでとれたよ!」と指示通り、立派に任務を遂行してくれます。
そういえば来年は小学生です。考えてみたら、すぐそこのコンビニどころか、横断歩道を一人で渡って、通学路を歩いて、夕方、また一人で家に帰ってくるらしいですね本当でしょうか。あの怖がりの息子がねえ。信じられなーい。
と、隣で牛乳を飲む息子を眺めながらそんなことばかり考えていました。
息子はというと、「ああ、ほんと、ベランダっていいねえ。でもなんか、オレたち、こんなとこでギュウニュウのんで、わっるいねえ」と、偉そうにふんぞり返って椅子から落ちそうになっていました。言ってることと身体能力が噛み合わないところが何とも息子らしいです。
しばらくすると、「ちょっとまっててくれる?おもちゃもってくるから」と部屋に入り、両手いっぱいにおもちゃを抱えて戻ってきた息子が、ここ2ヶ月ほどどハマりしているウルトラマンシリーズのタロウと父、母、セブン、ゾフィ、レオ、初代、エックスのフィギュアとその他いろいろをベランダに撒き散らして遊びはじめ、まったり親子水入らずでカフェどころか、気がつけば息子に乗せられてウルトラマンごっこをさせられるはめになりました。シュワッチ。
それからまたしばらくすると、「ちょっとまっててくれる?おやつもってくるから」と、また部屋に戻り、そのまた数分後には「ちょっとまっててくれる?やっぱりほかのおもちゃももってくる」と部屋とベランダを数分おきに何度も何度も行ったり来たりとせわしないので、「もういいかげんにしなさい!ちょっとこっちにおいで!」と、息子の腕を掴んで引き寄せてヘッドロックぎみのだっこを10秒くらいしてやり、「やーめーろー、やーめーろー」というたびに延長してやりました。
おわり。